ひろきだNote

DX人材を目指してAIとか機械学習とかを学ぶ人のブログ

アジャイル開発におけるステークホルダーマネジメントの重要性

最近、とある企業でのアジャイル型のシステム開発の標準化に携わっている。 大きな企業は、そもそもの組織構造からアジャイル型のシステム開発には向かないと思ったので、その理由などを書いてみる。

そもそもアジャイル型の開発ライフサイクルは、ステークホルダーから要求を引き出す→製品へ実装する、というプロセスを納期・予算が許す限り繰り返すことで、ステークホルダーの要求に添ったプロダクトを開発する手法だ。このことから、ステークホルダーの関与はプロジェクトの成否を決める重要なファクターであり、PMBOKでいうステークホルダーマネジメント(コミュニケーションマネジメントもだが)が従来型に比べて重要になる。

大きな企業のシステム開発プロジェクトにおけるステークホルダー(としてアサインされる人)は、以下のような特徴が見られる。

  1. 業務の限られた一部しか知らない(業務の全体像を知っている人がアサインされたらラッキー)

  2. 多数の案件を抱えているため、常に忙しい。

これは大企業は分業や業務の外注を積極的に行っているためであり、企業の規模が大きいほどその傾向が強い。 大企業のシステム開発プロジェクトは、ステークホルダーは必然的に多くなり、各々が忙しいため、ステークホルダーマネジメントが難しくなる。 だからステークホルダーマネジメントがプロジェクトの要となるアジャイル型のシステム開発プロジェクトは難しい。

PMBOKを開いてみると、ステークホルダーマネジメントの中で、まずはじめに行うことは、ステークホルダーの特定となっている。 PMBOKによるとステークホルダーは内部ステークホルダーと外部ステークホルダーに分類でき、その内容は以下のとおり。

これは、プロジェクトマネージャ視点からみたステークホルダーの分類であり、開発現場のメンバーからみると少し遠いと感じていた。実際、アジャイル開発の現場だと、ステークホルダーはエンドユーザだけだと思い込み、エンドユーザだけの要求に偏ってシステムの保守性がほぼ考慮されていないようなケースがあった。

少し古いが、IPAが公開している資料にKikuma Ringというものが紹介されている。開発現場やチーム目線だと、こちらの方がステークホルダーを意識しやすいのではないかと思った。

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Kikuma Ring(引用元:https://www.ipa.go.jp/files/000004625.pdf)

現役システムエンジニアがG検定に一発で合格した話

日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する2020年 第3回 G検定(ジェネラリスト検定) に合格しました。どんな試験で、どんな勉強をしたのかを解説します。

G検定の概要

ディープラーニングの基礎知識やAI活用に関する知識について問われる試験です。 日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催しています。試験の概要や出題範囲など、詳細は、公式サイトに詳しく記載してあるので、そちらを参照してください

受験の動機

仕事でAIサービスを使った業務改善を行っているものの、AIの仕組み(アルゴリズムとか)についてはイマイチ知らなかったので、AIについて体系的に知識を学ぶきっかけにしようと思ったのが受験動機です。

勉強方法

AIの基礎知識や仕組みについては、『ゼロから作るDeep Learning』を読んで、コードを書いて動かしながら勉強しました。試験問題を解く練習として、問題集を解く→わからないところを調べる→問題集をやり直す、、を繰り返しました。模擬試験(無料)を別に受けて、誤答した箇所を詳細に調べることで自分の汎化性能を上げました。

参考書など

AIの基礎知識

定番の『ゼロから作るDeep Learning』です。わかりやすい説明と、コードを書いて動かしながら学べるので、理解が進みます。


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試験対策

強化学習や、AI活用に関連する法律・倫理など、『ゼロから作るDeep Learning』ではあまり触れられていない箇所を重点的に確認しました。


AIの活用事例や、時事問題の対策として『AI白書』をざっと読みました


問題集は定番の黒本ではなく、比較的最近出版されたものにしました。解説がしっかりしていて、わかりやすかったです。


リンク

実際に受験してみて

試験は公式テキストに書いてないことが普通に出題されます。そして問題集や模擬試験の問題がそのまま出ることはほとんどありません。 AIについて、広く、本質的かつ体系的に理解をしていることが求められていると感じました。倫理・法律についての問題が多く出題された印象です。

  • 第3回G検定について
    • 2020年11月7日(土)13:00-15:00(120分)オンライン開催
    • 全194問で、設問はすべて選択式。
  • 出題内容
    • 範囲は公式ページのシラバス通り
    • 筆者の体感では、機械学習やAI周りの問題は6割ほどで、残りは、倫理、法律、時事問題などから出題

アドバイス

G検定試験対策としては、正攻法が1番だと思います。

過学習せず、汎化性能を上げる

公式テキストの問題や、問題集の丸暗記は無駄です。理解度のチェックに使いましょう。 AIと同様、学習→理解度を検証→再学習→・・・の繰り返しです。

AIを活用するための知識を身につける

倫理や法律、時事問題に関する出題が多いのは、AIをビジネスで活用するにあたって必要な知識だからだと思います。機械学習やAIの技術に関する知識だけではビジネスにAIを利用できません。(実際、主催であるJDLAの理事の方が、「G検定教科書9章に苦しめられてきた人たちへ」という特別講演を行っている) また、AIの業界はかなりのスピードで変化しているので、AI関連のニュースサイトなどを見て、普段から業界動向は抑えておいた方がいいでしょう。

おわりに

公式サイトによれば、次回の検定は、2021年3月20日(土)に開催されます。本稿がG検定を受験する人の助けになれば幸いです。